昨年末から、水温が高い状態が続いております。6月なのに、観察される生物は、7月後半のような感じです。
イロカエルアンコウは、通常9月くらいから入ってくる黒潮にのってやってくる事が多いのですが、今年は既に湾内にて登場。
クマノミも6月上旬には産卵。例年7月後半のイメージなんだけど。
クマノミも産卵する期間が長くなれば、大変だけど子孫は増える可能性高い。クマノミは亜熱帯のイメージだけど、伊豆に通年いる魚だ。学生の頃、琴ケ浜にてダイビングで初めて見たときは嬉しかったなー。伊豆のダイバーとしては、亜熱帯化は、生物を観察するという観点えは喜ばしいことだが、ずっと続くのもマズイのではないかと思う。
クロホシイシモチも産卵を始めました。こちらは、例年通りな感じです。水温20℃後半になると産みだす。今は、15時頃が産卵ピーク。水温が上昇すると産卵する時間も早くなり、お盆とかは11時くらいから産卵している。産卵シーズン中に水温で産卵する時間が変わるというのは、他の魚でパっと思い浮かばない。
こちらは、イバラタツ。春くらいに見かける印象。タツの仲間の中では数が少ないほうで、潮通しが良い所から、内湾までいろいろな環境下で生息する。
フクロノリに隠れるカエルアンコウ。幼魚は、海藻が茂る春に、多くみられる。この時期に成長し、産卵準備が出来た大きな個体は、夏に産卵する。大瀬崎では、ここ数年、大きなカエルアンコウはあまり見られていない。大きくなる前に捕食されている?という疑惑もある。それが事実なら、海藻が減っており隠れる場所が少なくなってきている、か、撮影するダイバーが増え、他の捕食者に目立ちやすい状況になっている、など考えられるけど、決定的ではない。
長い間観察されているカエルアンコウ。ダイバーが撮影しているとミノカサゴが寄ってくる。やっぱり影響しているかもしれません。大瀬崎のインストラクターとして、私たちダイバーが生態に影響を与えている状況は好ましいとは思えないが、世界中のダイバーが撮影しまくって影響したところで、世界の魚の量に影響を与えることはないと思う。むしろ、海藻が減っている事のほうが自然へのインパクトは大きい。個人的には、海の酸性化ではないかと考えている。そのことはまた後日。