コンパクトデジカルカメラの価格も下がり、多くのダイバーが水中写真を撮るようになってきています。ある程度コンパクトカメラを撮り飽き、ダイビング経験も増えてくると、もっと綺麗に写真撮りたい!とかオリジナルの写真を撮りたい!と思うのは当然の流れである。
そして大きな投資をして、一眼レフやミラーレス機を買ったものの、使いこなしていない方がいるのも、ガイドをしていて思う事が多くなってきたのも事実である。そういう人に多いのが、次のパターン
1 カメラの基本的な知識(絞り シャッタースピード、ISO感度などの関係)をわかっていない 解決策 グーグル先生に聞けばすぐわかる 雑誌を読む
2 買ったカメラを使いこなせていない(水中撮影専用機になっている)この傾向は小金持ちに多い 解決策 陸上でとにかく撮影する
3 ダイビングスキルが未熟 解決策 カメラを撮り、よく潜っているインストラクターと、とにかく潜る
上記の方はチョー簡単な解決策も書いたので、参考にしてもらい、、、、。
今回は、一眼レフ ミラーレスを結構使いこなしつつあるアマチュアダイバー向けに作例をいれつつ説明し、より効果的に「絞り」を使いこなして頂けたら?の記事です。
まず、どれ位、絞ればよいのか?
正直、私もよく分かってません(笑)その場、その場で、自分でベストだと思い込んでいる撮り方をしているだけとして言いようがありません。
一眼レフを始めた当初は、せっかくフルサイズ買ったのだから、寄って、絞り解放でボケボケ写真だー!みたいなノリはありましたが、写真を現像し大きく伸ばした時に「パンチない、チャラいな」と思いました。やはり写真歴の長い方の写真をみるとしっかりと撮っているなー(ちゃんと絞って、全体を見せているな)と勉強させて頂きました。被写界深度の浅い写真も全否定するつもりなんてありませんが、あくまでも効果的に使う程度でいいのかなと思います。また、何十年も写真を撮っている方は、カメラとレンズのスペックを最大に発揮出来るスウィートF値を知っています。なんとなくですが、開放から2~4段絞ったF値くらいなのかな、その位で撮っている方がベテランには多いです。では、もっと絞れば?と思うのが最近の私の傾向でもあり、流行りです。
まず、絞りF29

絞り過ぎると回析という現象により、明らかに画質が落ちます。CANONはDPP4という付属するソフトが優秀で、オートライティングオプティマイザという機能で回析を補正できます。この写真も回析補正はしてあります。
私のカメラとレンズではF16より絞ると、安いモニタでも画質が落ちるのがわかります。
背景はイシガキウミウシなのですが、人によっては背景が気持ち悪いと思う人がいるかもしれません。私の場合は、どんな環境にいるのかという意味で絞って撮ることが多くなりました。
次は、F18の写真です。

これも回析補正済みです。ほぼ最短撮影距離なので、意外とボケています。
次はF8

F8あたりで、撮っている方は結構多いのではないかと思います。私も、基本抑えでF8は撮っておきます。適度なボケと解像感がF8あたりかもしれません。主題のエビを適度に映えさせる感じはあります。
最後にF4

F2.8で撮らないのは、エビの場合、目だけでなく、ハサミもピントが合わないとイマイチな写真になることが多いからです。魚の場合は、目に合わせればいいので、F2.8で撮ることもあります。結果、正直このF4の写真も個人的にはボツです。
こういうボケ写真は、何故かパソコンやスマホなんかで見ると良い感じで見えます。主題が浮き上る感じで、写真も柔らかいのが良いのかもしれません。がっ!現像するとチャライです。これは私の感覚という前置きがあり、ボケ露出オーバー写真を好みとする方を否定する訳ではありません。写真の好みなんて自由です。
まとめ
以上4点作例を紹介しましたが、皆さんの感覚ではどれ位にF値が好みですか?私は、やはり見た目ではF8がいいのかなーと。背景が汚く、なるべく写したくない場合や、先に書いたように環境をいれたい場合など、その場面によって絞りを変えるべきだと思います。
エビの位置など構図が微妙に違い同じ条件ではないですが、チャートとは違うリアルな比較にはなると思います。すべてほぼ最短撮影距離です。ちなみに、被写体との距離が離れれば、より被写界深度が深くなるという事は、知っている方は多いと思います。なので、絞りは被写体との距離も含め、コントロールする事が大事だと思います。撮影距離での比較写真は、チョー暇だったら、いつかやります(笑)